九州アートディレクターズクラブ

Posted on 2015-05-14

K-ADC AWARD 2015|特別審査員紹介コラム|クリエイティブディレクター、アートディレクター植原亮輔さん

★植原亮輔

 

モノづくりというものは、ディテールに向かってしまいがちで、
ともすれば、自分一人でもがくことになってしまいます。
社会との関わりの無いところで苦しむのは、
いわば滝に打たれる修行僧のようなもので、
デザインは苦しいものだと勘違いしてしまいがちです。
これに対して、社会との関わりの中から生まれたデザインには、
どこか明るく、力強いものがあります。
ただ、一方で、ディテールへの配慮に欠け、
すぐに見飽きてしまうものも少なくはないと思います。

 

第11回亀倉雄策賞の受賞の際、そう語ったのは、K-ADC AWARD 2015 特別審査委員のひとり、植原亮輔さん。デザイナーがディテールへの興味と社会との関わりの両面を、正しくバランスを保ちながら、課題と向かい会い続けることの難しさ、そしてその大切さ。植原さんは、その難しさに対し、誰より誠実に向き合おうとする、向かい合っているクリエーターではないだろうか。正しい意識と誠実な姿勢が生む新しいクリエイティブ。それが、マス広告からグラフィックデザインまで幅広く手がけられる「植原亮輔力」なのだと思う。今その力を大いに学びたい。

【LINK】http://www.ki-gi.com/

<K-ADC AWARD 2015 特別審査委員 vol.4>
植原亮輔(キギ)
クリエイティブディレクター・アートディレクター。企業やブランド、ショップなどのアートディレクション、「D-BROS」等の商品デザインを手掛ける。2014年夏、琵琶湖の周辺で様々な製造業を営む職人たちとともに、テーブルウェアを中心としたプロダクトブランド「KIKOF」を立ち上げる。クライアントワーク以外でのより創作的な作品制作や、物事に対する自らの視点や考え方をデザインの軸で作品化し展覧会を開催するなど、あらゆるジャンルを横断しながら、グラフィックの新しいあり方を探し生み出し続けている。●主な個展に「キギ展」(ギンザ・グラフィック・ギャラリー、2012年)、「続・キギ展」(ヒルサイドフォーラム、2013年)、「ワン-オフ デザイン」展(PASS THE BATON GARRELY)など。●主な受賞歴/TDC賞、JAGDA賞、東京ADC会員賞、NY ADC金賞、ONE SHOW DESIGN金賞、第11回亀倉雄策賞など受賞多数。

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