九州アートディレクターズクラブ

BATON TALK

Posted on 2020-03-2

河上さん、有難うございます。

河上さんと初めてお会いしたのは、僕が霧島(鹿児島県)に移住したばかりの頃で、確かにそのころは写真の他に、デザインやディレクションもしていました。でも、あることがきっかけで写真だけで行く!と決めたのです。それを河上さんにお伝えしていなかったですね。歌って踊れるカメラマンは間違っておりませんが笑。

 

さて、私は現在鹿児島県に住んでおりますが、実は東京は溜池生まれの渋谷育ちで、バリバリのコンクリート人でした。東京で生まれるということはそういうことだと思います。本当の土を知らないという。そのコンクリート人が2012年の終わり頃、霧島連山 (鹿児島と宮崎の県境にある) とその周辺の魅力を紹介するウェブサイト「あまつち」(amatuchi.jp) のプロジェクトに参加することになり、20143月のローンチに向けて1年間かけて取材を行うため、月1で霧島に通うようになりました。

 

(↑渋谷より面白い霧島連山)

 

そして、通い始めて半年くらい経った頃、気づいてしまいました、「全てはここにある」のだと。『人と地球が共存する上で必要なもの』が全てあるのだと。同時に自分が生まれたところには何もないということも感じました。ずっと遊んできた東京が2000年以降急激につまらなくなってきていたこともあり、気がついたらローンチの翌月に霧島に移住していました笑。

 

(↑自分が地球と共に生きているという事を常に感じられる)

 

そして移住から約6年経つ今、「全てはここにある」は霧島だけではないと思っています。九州という大きな島に「全てがある」と思っています。その「全て」というのは、当初思っていた『人と地球が共存する上で必要なもの』だけでなく、近代的、現代的な要素も多分にあり、時代、文化の先端を横目で見ながら、地球とコミュニケーションを取れるということ。日本においてとても重要な場所ではないでしょうか。

 

鹿児島に移住する前まではずっと東京で活動していました。22(1996) でフリーランスのフォトグラファーとしてスタートし、途中でデザインを覚え、2004年から7年間、アパレル&カルチャーカンパニーのH.P.FRANCEで、社内外の販促物や広告を制作してきました。その後、フォトグラファー&デザイナーとして、またフリーランスに戻りました。

 

(↑東京時代はずっとファッションシーンにいて、雑誌やカタログなどの仕事が多かったです)

 

デザイナーを辞めたのは鹿児島に来て一年くらい経った頃でした。ある仕事の上がりをじっと見ていた時、突然「。。デザイナーを辞めなさい。。」とテレパシーのような、お告げのような声が聞こえました。最初はよくわからなかったのですが、そのことがずっと頭から離れませんでした。そしてある日、自分がデザイナーもしていたら、まだご一緒していないデザイナーさんたちと写真のお仕事できなくなるかも?と閃めき、すぐにウェブからデザインのカテゴリーを消し、脱デザイナー宣言をしたのでした。

 

というわけで、2015年頃からフォトグラファーとして活動しておりますが、写真の仕事は本当に有難くて、いろんなところに行ける職業なんですね。鹿児島もあちこち行っておりますし、九州もいろいろ周らせていただいています。母の故郷が長崎なので最近は長崎に年に何回か行くようになりました。東京にいる時は、ほとんど東京にしかいなかったので、いろいろな土地やいろいろな方々からたくさんのことを知れることが、自分の写真にとても影響しています。

 

九州って素晴らしい。各県本当に個性的だし、それぞれの歴史や文化があって素敵。そして、それが一つの「島」という枠でまとまっている。これって奇跡ですね。もしかして、そんなこと言ってるのはよそ者だからかもしれないですが、本気で思っています。

 

(↑ちょっと移動するだけで旅している感覚になれる豊かな九州)

 

県が独自に盛り上がることはもちろんですが、九州が、九州として盛り上がっていったら面白いですね。各県からKADCのメンバーが集まって九州の製作物などを作ったり、県をまたいだコラボ的な仕事なんかもあってもいいじゃない?なんて勝手に妄想しています。

 

多分、キーワードは「Communication」。そもそも僕らの仕事って相手がある仕事。ペアやチームでやることも多いですよね。どれだけ有意義なコミュニケーションを取れるかで純度は変わってきます。九州も各県のクリエイター同士がもっとコミュニケーションを取っていけば、盛り上がっていくと思います。いかがでしょうか?

次回のBATON TALKは・・・

pass the baton!

さて、次にバトンをお渡しするのは福岡の井口喜実さんです。
実は井口さんとは一度しかお会いしたことがないのですが、KADCに入会するきっかけは井口さんだったのです。

鹿児島新年会の0次会の挨拶で「九州が一つになって日本を盛り上げていきたい」というような事をおっしゃられていて、クールな雰囲気なのに熱いぜ!って思いました笑。そして、それ、おれも乗りたい!って思ったので入会を決めたのでした。ご出身が長崎ということもあり、勝手に親近感を感じております。

それでは、井口さん、よろしくお願いいたします!

TOPへ