Posted on 2019-11-21
#33 河野 喬
/KAWANO TAKASHI
#宮崎#デザイナー
マイホームにて。
紹介者:茂村 巨利
こんにちわ。
宮崎でひっそりデザイナーをやってますカワノタカシと申します。
まさかの茂村さんからご紹介いただくとは。。
メッセもらったときは携帯画面が銀色に見えてました。光栄すぎます。
更新が遅くなってたいへん恐縮です。なのでちょっと長めに綴ります。
はい。たしかに初対面の茂村さんに「ファンです」と言っちゃったのを覚えてます。
全然タイポグラファーではないです。あのロゴに一発で魅了された一人です(_ _)
とにかくロジックやプロセスが知りたくてトークショーに行ったりで、
その後いろいろと勝手に可愛がってもらってる気でいます。
そんな茂村さんに「どう仕事と向き合っているか?」と聞かれ、
前頭葉フル回転で考えてました。
僕はというと、宮崎のほんと真ん中あたりに位置する人口15000人ほどの町を拠点にしています。
これといった町のシンボルや人気スポット的なものは今はまだ不在なんですが、
「そんなもんいらん!」とばかりに何かと地元イベントや催事ごとがとにかく多く、
よその町からは「人の活気が魅力」と言われるぐらいギラギラしてる町です。
一部の人たちは「みんなイベント疲弊してる」と自覚してるようですが、
本当にそう思いますね。減らす勇気が必要ですよ!町民の皆さん!
そんな地域のリアルな実態がいつでも誰かと共有できるし、
あの人この人話で朝方まで飲んだりなんたり。
末端地元な風景が、僕の日常の大半かもしれません。
というわけで、一応デザイナーとして都会だろうが田舎だろうがいろんな景色に興味津々な分、
自分のホームで最近あったイベントの話をネタに「仕事観!?」を振り返ってみることにしました。
先日、町一番の賑わいとして名高い33年間ずーっと続いている年一のでっかいフェスが開催されました。
農家であれ電気屋であれデザイナーであれ、職種は全く違う20代〜40代までのメンバー26人程が一堂に集まり、
企画・主催・運営までほとんどぜーんぶ自分たちで執り行うイベントです。
もち、警棒握っての夜間警備なんかも。ちなみに今年は僕が実行委員長でした(><)
メンバー同士は職業が違う分、生活リズムもスタイルもさらに言えば価値観も違ったり。
僕としてはそれはそれで「性格のいい輩の暖」という感じで楽しんでいました。
とりわけこのイベントを通して何かカッコいいグラフィックとかそういったものを作ったわけではありませんが、
33年もやってるわけで、イベントとしてのネックな部分とかリスキーなとこも色々あると知り、
この際その辺のことにも向き合いたいなぁと思って「中身のデザインや!」と勝手に意気込んで挑んだ次第であります。
グラフィックとして唯一意識したことは、会議資料の見やすさでしょうか。
フェス経験が豊富な農家やってる友人と二人で案を出し合い、夜中まで作ったりしてましたね。
理由は簡単。
見えてないものを見えるようにしたかったから。
といっても、出来上がったのはただの活字だらけの資料なんですが、
全体の見通しがつくように時系列で追っていったり、
誰が見てもメンバーの動きがわかりやすいよう工夫したりなんたり、
とにかく開催当日に近づくにつれ、細分化されていく運営の流れの見やすさには気を使ってました。
なぜにそんな紙切れ一枚が大事だと思ったのか。
↓
モッタイナイを出したくなかったからです。
縦も横もつながりが濃ゆい人間関係のフィールドにいると、
もともとあったコト(イベント)なんてのは経験者の知識と突破力だけでエンジンがかかります。
あとはその人に乗っかるだけでそれなりの走り(結果)を生みます。
でもその道中には、おそらく可能性溢れる虹色のオイルがタンクからダダ漏れしてそうです。
ぶっちゃけこのイベントは、近年では主催する側の負担が大きいだけという先入観や、
開催目的のブレが浮き彫りになってきたりで、
今後の継続が議題されるまでになってきています。
30周年記念祭のときの初代実行委員長のスピーチがめちゃくちゃ印象的。
フェスティバル存続への感謝と労いを述べた上で、
「開催する目的は、ちゃんと持ててますか?」
「あぁここだな〜やっぱ」と僕の頭の中がスッキリ。
開催目的の不在。
今回のイベントではこれが結構コアなとこかなと僕の中では感じてたんです。
順番が回ってきたから。
過去に誰もやめたものはいないから。
町民誰もが知ってるイベントだから。
プレッシャーと責務のオンパレードです(笑)
何かを祀ってるわけでもなく、神輿があるわけでもなく、収益を上げてるわけでもなく。
この辺の話は、地域イベントの○○みたいな雑誌の特集とかでもよくやってますよね。
割愛します^^
とりあえず僕の場合は、「オレのためにやる!」が開催目的でした ^o^/
確かにいろいろ迷走しましたが溜め込んでもしゃーないので。
モッタイナイというのは、ただただ経験者に押されて発言を控え、従うままの状態です。
「オレらはやらされてるんじゃなくて、やれるほうなんだぜ!」みたいな、
実行委員としての自負と付加価値を堪能させたかったわけで、
おもしろがれる要素がこのフェスにはいっぱいあることを僕なりにメンバーに提示したかったわけです。
誰もが知ってるフェスならなおさら実行委員としてカッコいいわけだし。
てなわけで、前置きが長くなりましたが紙切れ一枚の資料からでも意識を変えてやる! と意気込みました(策が小せ〜w)
一緒に作ってた農家の友人は「いつもの資料だとメモが取りづらくて文字も小さいし、多分初めて見る子は全体をイメージしにくいはず」と。
初めて見る子 ←ですよ? もう立派な親心です。
いいモノで後輩くんたちを育てていきたいと。
モノづくりよりコトづくりという概念を耳した時は「なるほ」と思いました。
でも最近は、コトを生むのも結局モノじゃね? と気づきました。
良質な関係性が出来てればオシャレなロゴやパッケージ、空間なんてのはデザイナーのエゴでしかないと聞いたりもたまにしますが、それでも人間ってやっぱり、美しいモノに惹かれますよね。
あと、「美しい」というワードって、見る人の都合によってほんとうにどうにでも変換できる一言だとも思います。
なんだかんだ年長者が騒ぎ立てても、この小さなコミュニティーでは年下の彼らがいつの時代もキーマンです。
「そんな資料があったらうれしいです!」みたいなことを後輩くんたちから聞いた時は完全に我が子のように見えてましたね(笑)
そもそも33年もやっててなんでそんな資料がなかったのかというのも問題ですが。
※あとあと調べたら存在はしてました(汗)事務局さんごめんなさい。
とは言いますが、僕らが作ったものが機能したかどうかは今後の反省会で聞いてみようと思います^^;
資料一枚で全部解決するなんて1ミリも思うはずもないわけで、
会議中の空気や発言しやすい雰囲気、飲み会の場所決めなど、
例年「現状維持」だったことはある程度ぶっ壊せたかなと。
あとは来年以降、今回の僕の自由奔放でちょっと無責任かもなデザイン思考が
どういった形で影響をおよぼすか、またまた勝手に楽しみです。
まったく新しコトを生み出すよりも、今あるコトがちょっとしたモノ(きっかけ)でアップデートされてく方が、
いい結果を生むことはありますよね。伝統を絶やしたくない話とか、後継者がいないとか言う話も、
まず「現状維持」ってのを一旦検証してみないと明日はねぇ!と僕は思ってます。
酒でごまかしてないでちゃんと「価値」を表に示せ!と言いたくなります。
結局のところこれらの試みは僕の中で意識してただけで、
自分の仕事にも活かせるだろうし委員長やるからには絶対おもしろがってやる! というのを決めてたからです。
でも、フェス開催までの道半ばで大勢の仲間が「今年はなんかいいね」と言ってくれたのは「そうだろ(笑)」と言いたくなる場面でした。
メンバーに充実感が見えてたと、個人的には思ってます(_ _)
普段があまりにも末端地元な環境なので、
なんだか委員長やっての感想だか仕事観の話だかよくわからない記事になったかもです。
いずれにせよ今後のアウトプットの糧になりますように。。
ここまで自分が住んでる町をピックアップするのは、
実は町に対しての愛情よりも、単に好きな人たちがいっぱいいるからなんですがね(笑)
グラフィックでは葛西薫さんの余白とか仲條正義さんのアバンギャルド、
そして茂村さんのタイポなどに興奮を覚えたりです。
ちゃんと本業でレベルの高いモノづくりができるようがんばります(汗)
以上、地元風景と向き合っていることに気づいたデザイナーの話でした。
次のバトンは河野くんです。
九州ADCアワードの懇親会で、初めてお会いするのに「あなたのファンです!」と声をかけられたのが出会いでした。
その後に、私の講演会や勉強会に参加していただいています。
今の若い世代のデザイナーが、何を考え、どう仕事に向き合っているのか?聞いたみたいと思います!