九州アートディレクターズクラブ

BATON TALK

Posted on 2019-07-8

福田まやさんからバトンリレーを受け取りました、株式会社green circleの神鳥兼孝です。

大分で広告制作・広報戦略のアドバイスをしています。

いつも惚れぼれするデザインをする まやさんからの指名だったので、「今は無理!」とは

言えず、「光栄です!」と受けさせて頂きました。

 

 

東京藝大の油科を卒業した後、絵描きになりたくてNYに留学したのですが、生きていく事が

出来ず、「自分に出来る事は何だろう」と考え、興味を持ったのがCMの仕事でした。

しかし、バブルがはじけた後のCM業界は「とにかくインパクト!」が求められ、これまで

得意としてきた技術はそのまま通用せず、一から学び直しました。

 

入社した時には「1年もたないだろう」と言われていましたが、それでも11年頑張りました。

入社2年目で、初めてディレクターをさせて貰えると訪れた関西のクライアントには、

「誰この子?ウチのCMをこんな若造に作らせる訳にはいかないんだけど」と断られ、

それから人前で話す事が出来なくなり、それでも一つひとつの仕事を大切にして、

やっとトヨタやマクドナルドのCMディレクターが出来るようになった頃、実父の病気で

九州に戻る事に。

 

仕事が順調に進み始めた矢先の出来事で、当初は戻るつもりはなかったのですが、

生まれも育ちも東京の妻から「大分の義父さんを、孫たちと暮らさせてあげたい」と言われ、

それで断るのはあまりに鬼みたいで断る事が出来ず、帰郷しました。

 

 

別府の町が大好きです! 皆さんに是非訪れて頂きたい!

 

 

分業が進んでいる東京の広告業界で、CMプランナー・ディレクターしかしてこなかった自分は、

印刷物入稿のルールや、WEBのデザインなどをした事がなく、またここでも学び直し。

大分をずっと離れていた事で、横のつながりも消えていたので、最初は仕事をさせて頂く機会が

無くて、とても大変な思いを家族にさせたと思っています。

 

green circleを起業した当時、一日中仕事の話ばかりしている両親を見て育っていた

小学1年生の次女がしていた学校の宿題。

ウサギとキツネのイラストの吹き出しに彼女が入れていた言葉が、

「きつねさん、せっかくいただいたしごとなんだから、ちゃんとやらないとだめだよ」。

子供ってこうやって育っていくんだ。子育てって怖いなぁと思いました。

 

「頂いた仕事を、ちゃんとする」言葉で書くと当然な事なんですが、行うのは簡単じゃない。

特に、この「ちゃんと」の部分は、自分で判断を下すと本当に難しい。

だから、「姿勢を正して話を聞く」「可能なだけリサーチする」「散らかった情報を整理する」

「単なるレイアウトではなく提案のあるデザインをする」といった事を心掛けています。

K-ADCでは、沢山の素敵なクリエイターの方々と知り合いになれ、本当に得難い経験が

出来ていると思っています。

次回のBATON TALKは・・・

神鳥 兼孝
pass the baton!

2017年7月「梶原さんとロゴを考える研究会」でお会いして以来
ずっと茂村巨利さんのファンです。
あの日は茂村さんのデザインを見せて頂いたわけではありませんでしたが、
「この人、絶対に凄い仕事をする!」という直感は当たっていました。

個人的にゆっくりお話をしたい所ですが、多分茂村さんのお話を
聞きたい人って沢山いると思うので、独り占めしないでみんなに
お話して頂く為に、バトントークを利用させて頂きます。

本当に忙しそうな中、無理を言ってごめんなさい!
でもでも本当に楽しみにしていますので、宜しくお願い致します!

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