九州アートディレクターズクラブ

BATON TALK

Posted on 2019-02-14

「憂いあるもの」

 

 

憂いのあるものが好きだ
憂いのある人が好きだ
憂いのある女
憂いのある男が好きだ

少しかっこ悪い人が好きだ
自分が嫌いだという人が好きだ
寂しさの影が漂う人が好きだ
誰にもいえない秘密がある人も好きだ

臆病な人が好きだ
不器用な人が好きだ
傷つきやすい人も好きだ
はみ出し者も嘘つきも好きだ

そういう人のことを私は、憂いある者、と呼ぶことにした

 

 

 

 

憂いある者は、
かっこ悪いから好きだ

自分の良さを知らないから好きだ

そんなひとは、自分の良さを知らずに
ほったらかしにしているから愛おしい

ひねくれてしまって、まっすぐになれない人が好きだ
そんな人こそ、
本当はむしろまっすぐだから好きだ

おれはみっともないやつだと嘆いているひとの哀しさが好きだ
馬鹿なことを言ってしまったと悔いているひとの眼差しが好きだ

恥じらう女が好きだ。
恥じらう男も好きだ。

綺麗になりたいと嘆く女も好きだ
好きな女に格好つけてる男も好きだ

そんな風に
劣等感と同居して、自分と向かい合う人は、愛おしい。
自己との対峙はなによりも苦しい。
なのに
わざわざそれを選んでやっている人は尊い

苦しいことを苦しいと言うことが
大人になればなるほど難しくなり、
子供じみていると一掃されることを恐れてしまう
それならばむしろ子どもは偉大だし、
子どもじみているって言われることに
恐れないひともまた尊い

そんな人にこれから沢山出会って
ニンゲンに生まれて来てよかったよなーって

言う日が来たら

 

いいなあ。

 

 

 

 

 

 

———-

 

九州のどこかの街で、たくさんの素敵な出会いがありますように。

 

 

 

バトンを渡してくれたシンクロの村尾彩さん。

忘年会で少しだけお会いできて嬉しかったです。

次はたくさんお話しましょう。

 

———

 

大好きな本があります。

いまちょうど、自分の置かれた状況に

ぴったりの物語をみつけました。

少しだけそのことを書いて、次の方へ、バトンを渡します。

 

 

次回のBATON TALKは・・・

pass the baton!

K-ADCアワードに始めて参加し、作品搬入をした日。
643点という圧倒的な作品数の中、いちばん奥のブロックにしっとり佇む
カモメをモチーフにした、美しいパッケージが目に飛び込んできました。
一瞬でトリコになり、どんなデザイナーさんなんだろうと興味津々。
もちろん、私的に思い入れの深い小説「かもめのジョナサン」のシーンがよぎったから。
ジョナサンが海の上を颯爽と駆け巡る数々の姿が潮風のように吹き込み、心の中を一杯にしてくれました。

かもめのジョナサンは、大切な本のひとつ。

2014年に、40年の時を越えて
”幻の最終章”を加筆して完成版が出版されるという、
これまた不思議なお話なのです。

ずっとずっと読まなきゃと思って放置していたのですが、
その方の作品に出会った縁で手に取ることができ、
猛烈な勢いで最終章を読み終えました。

まさかのラストシーンは衝撃。
「生きていくエネルギー」を充填させてもらいました。
自分の心の中に、1羽のかもめが棲みついた、、
とでもいった状況でしょうか。

私がK-ADCアワードで出品した作品も、
小説「檸檬」に端を発したものだったので、
文学という共通項があり勝手に盛り上がっています。

そういうことで、満を持し、思い切って連絡をしてみようと思いまして
お名前を調べ、メッセージを送りました。
彼は大分のデザイナー、長門敦さんという人でした。

次にバトンを渡すことの出来た方が、長門さん。嬉しいです。
ジョナサンの話、したいですね。
お会いできる日がとっても楽しみです!
では、よろしくおねがいします。

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