九州アートディレクターズクラブ

BATON TALK

Posted on 2018-01-15

羽山さんからバトンを受け取りました、吉本清隆デザイン事務所の吉本です。
第1回目のアワードから、いつも羽山さんの仕事ぶりに感心しています。

さらに昨年の苗場での奇跡の出会い、

やはりデザイン=ロックなのだと確信したのでありました!

 

さて、福岡生まれ水俣経由の熊本育ち。今、デザイナーを職業にしています。絵を描くことは小さい頃からずっと好きでしたが、特別専門的な教育を受けたことはありません。経済学部を出て銀行に就職しました。とにかく社会というものを経験したかった私にとって、未熟ながらも学んだことは大きかったと今思います。その3年間は自分の本当にやりたいこと、一生を考える時期でもありました。そして一念発起し、グラフィックデザイナーの道へ。当時26歳、ど素人。常識で考えたら遅いです。なので、かなり急ぎました。

 

ケイツーアソシエートでの5年間は毎日が新鮮で、例えると短距離走の毎日。覚えることだらけでした。特に和文タイプ等ロゴにつきましては相当鍛えられたと思います。当時、社長から頂いた最高点は70点。今は何点もらえるんだろう?とデザインしながらよく思います。独立して、数えてみると来年20年になります。仲間のデザイナーたちとポスターを作ったり、展覧会をやったり、とにかく仕事とともに出来ることをひたすらやり続けてきたように思います。頂いた仕事を積み重ねたことで、今はようやく総合的にクライアントを見ることができるようになったような気がします。

 

今、地方のデザインは重要視されているとよく耳にします。情報が発達し、地域の時間軸にほとんど差がなくなり、それぞれ個々の考え方がより重宝されるようになったと実感しています。職業は何?と尋ねられたらグラフィックデザイナーです、と答えます。ただ、そこが全てではない。グラフィックデザイナーとして熟練しながら、さらに幅を広げていきたい。その先にアートディレクションがあり、プロデュース、企画があると思います。

 

クライアントと対峙する時、そもそも何故その企業(会社)や商品等が存在しているのか?を考えます。その存在する意味・役割は何だろう?と。グラフィックデザインで、なぜこの造形になるのかを探ること、意味を深く考え抜くことは、その答えを探すこととリンクします。今まで気づかなかったことに気づき、見えなかったものが見えてくる。一つの物事を追求することで、より深く広く物事を追求できることになるのだと思います。

 

そんな個々の思考を、各地の皆さんと意見交換するのも楽しいものです。私なりにその役割をきちんと果たせるように、考えながら進んでいこうと思います。

 

 

先日、仕事で久しぶりに水俣の山に登りました。
「空があって、山があって、大地がある。」
そんなデザインをしたいと常々思っています。

次回のBATON TALKは・・・

吉本 清隆
pass the baton!

さて、バトンを渡すのは、熊本期待の若者、杉村武則さんです。
センス&熱さ、ともに申し分なし!というより沸騰しています。
その思いの丈で熊本をもっともっと感化して欲しいと思っています。
では杉村さん、よろしくお願いします!

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