Posted on 2017-07-18

#1 梶原 道生
/KAJIWARA MICHIO
#福岡#アートディレクター
九州ADCのブログ。バトンリレーをはじめます。
1番手の僕は、4月から九州ADCの代表になったカジワラブランディングの梶原道生です。
バトンを渡すのは、K-ADC前代表、電通九州アートディレクター伊藤敬生さんの紹介をして渡します。
そして伊藤さんが次の方を紹介し、次々にバトンが渡されていきます。
デザイナー、アートディレクターは裏方意識が強く一般的に表には出ない職業です。
しかし世の中がデザイナー、アートディレクターを必要としている現在では、人柄やどのように社会の役にたっているかを知っていただきたいのです。同業者どうしでも、いつも顔は見かけるけど、この人はどのような考えでどんな仕事をしているのか?実は知らずに一緒にお酒を飲んだりしています。人柄や考えがわかると仕事の連携もしやすくなります。
バトンリレーの目的は、九州ADCみんなのアイデアがシェアできれば解決できる問題も増えてくる、そのためのバトンだとイメージしています。
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梶原道生です。
僕は、1967年大分県日田市天瀬町に生まれ育ちました。今の仕事に対する考えは、こどもの頃の父の姿が原点です。父は、行商でお客さんのところへ出向いて旬の農産物とお金を交換する商売をやっていました。思い出されるのは、一緒についていってお客様が笑顔でお金を払うシーンです。
デザインの仕事をしだして、お客様は誰なのか?ずっと疑問でした。
相手の顔が見えないとどのようにしたら良いか何も思い浮かばない。笑顔が思い浮かべばアイデアはどんどん出てくる。
単純にして行くことが大事だと考え続けました。
物を買うということは、何かのエネルギーとの交換です。
物を買うのではなくその物がもっているエネルギーを買っているのです。困っていることを解決してくれる。美味しいものを食べたい。美しくなりたい。仕事の役にたつ。そばに置きたい。いろいろな理由によって物とお金が交換されるエネルギーは、物に吸収され消耗されていきます。
デザインは、物に備わっている特徴を表に出し、必要な人に発見してもらえるようにエネルギーを放出する。今の時代、お客様の必要に従うことで必然的に概念が出てきます。
しかし概念を並べるだけでは魅力に欠けます。世の中に溢れているものは、デザインされたものではなく概念を一方的に並べているものが多く、もう少しユーザー視点の考えを取り入れるだけで「これは私と関係があるものだ」と受け取ってもらえます。
時代によりライフスタイルも環境も移り変わり、その波を的確に捉えて時代の波に乗せていく。
ある時代は表だった商品も20年もすれば裏返しになっています。もう一度表にするときには、新鮮で的確に時代を捉えて再デビューする必要があります。お客様と商品との関係性に潜む潜在価値を顕在化し、さらに概念をシンボルとネーミングにしてロゴにする。ロゴを魅力的に展開することで、初めて世の中に認知してもらえます。ユーザーの必要にマッチングした商品は、手足や羽がついたように旅だちます。
そのようなイメージを持ちながら、今は見えないエネルギーを見えるエネルギーに変化できるロゴの仕事が面白くてたまりません。