九州アートディレクターズクラブ

BATON TALK

Posted on 2017-12-18

坂本航さんからバトンを受け取りました、助太刀デザインの小林大助と申します。
福岡でデザインのお仕事をしています。九州中を巡るバトンは持つと意外に重いですが次に上手く繋げたいと思います。

 

新潟県長岡市生まれ。東京の広告制作会社を経て、2013年に妻の出身である福岡へ来て独立。福岡は、妻の実家や自分達の結婚式などで来る機会が多く自分にとって特別な場所の一つでした。ただ早口で話す独特な方言は、理解するのに苦労しました。。

 

独立当初は行くあても、知り合いもいないゼロからのスタート。とりあえず名刺を作り「助太刀デザインです、グラフィックデザインをやってます、グラフィックデザインとはですね、、」と、とにかく名刺を配ってました。節約する毎日。最初に住んだ家はエアコンがなく、アイスノンは必需品。本当に暑い九州。猛暑日を乗り切るたびに「生きてた。。」と感じていました。

 

そんな中、前の会社の会長からよくお手紙やお電話をいただきました。
会長は一流であり入社当時からすごく厳しい方。朝から会社中に怒濤が響くことが日常茶飯事。とにかくエネルギッシュで人間味に溢れていて親分肌。一流になれ、一流とは、を常に話されていました。時にデザイナーが集められデザイナーは沢山の経験が大事だと、相撲の朝稽古見学、ブルーノート東京、寄席、能、芝居、ストリップまで、とにかく表現するものに目で見て学んで来いと、みんな徹夜明けの腫れた目をこすりながら行ったことを覚えています。

 

お電話で会長は「九州ではどうだ」と慣れない場所での活動を気にされている様子。「今こんなデザインをやっています。」など話しながら、そんな時は電話越しに背筋がピンと伸びて話してしまいます。とにかく圧力がすごい。その圧力は僕の背中を押しているのですが、当時の僕は背中を押されすぎて猛スピードで走っている感じ。休む暇なんてありません。当時は早く会長に良い報告をしたい(そしてこの圧からも解放されたい)と心から思っていました(笑)

 

 

独立当時に前会社の会長から届いた今でも大切にしているお手紙

 

 

会長から、「一を頼まれたら二を出せ、二を頼まれたら三を出すんだ、労を惜しむなよ、上を目指すんだぞ。」と教えられ、新しく受けた仕事では相手の求めているデザインは何かを考えながら制作に没頭する毎日。その甲斐あって少しづつお仕事が繋がってきました。たくさんのご縁がありお仕事も安定し始め、没頭したお仕事の一つであった博多曲物のデザインが九州ADCアワードで賞をとり、自分が地域のためにデザインで役に立てることがあると改めて感じました。会長へご報告した際は「本当に良かった、良かった」と何回も喜んでいただき、ご心配をおかけしたことへのお返しが一つ出来たと思いつつ、大満足ではない結果でしたので、さらなる良い報告ができるよう頑張ろうと心に決めました。

 

九州ではいろんな分野で一流な方々がいます。そんな方々に刺激を受けつつ「一流なデザインとは何か」は僕にとって永遠の課題。そんな気持ちで昨年今年と日本で第一線のデザイナーである菊地敦己さん、三木健さんのワークアウトに参加。そこには意識の高いデザイナーが集まりいろんな角度で各々のアイデアを出すも圧倒されるばかり。僕自身も的確に自分の足りていないところを指摘されました。一流の方々からくるプレッシャーはとにかくすごい。体力的にも本当に辛い経験ではありましたが、たくさんのことを再認識することができ、共に経験したデザイナーの方々が僕にとって特別な存在にもなりました。

次回のBATON TALKは・・・

pass the baton!

次にバトンを渡すのは、菊地敦己さんのワークアウトでご一緒だった、デジマグラフの羽山さん。
羽山さんは僕が九州に来て、衝撃を受けたデザイナーのお一人。初めて参加した九州ADCアワードの賞で羽山さんの名前が立て続けに呼ばれる光景が今でも忘れられません。柔らかい物腰ながら、羽山さんならではの惹きつけられるデザインの強さには脱帽することが多いです。羽山さんよろしくお願いいたします。

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